「バックアップ」ー業界に関わりなく誰もが一度はこの言葉を耳にしたことがあるはずです。それに最近は「クラウドバックアップ」という言葉もよく聞くようになりました。
では思い返してみてください。今目の前にあるパソコンのデータを「最後に」バックアップしたのはいつでしたか?
目次
ハプニングは突然やってくる
バックアップとは?
クラウドバックアップとは?
クラウドバックアップの種類
クラウドバックアップツールの種類
まとめ
困ったときに「使えるクラウドバックアップ」
FAQ
ハプニングは突然やってくる
いつもの朝。オフィスに到着してパソコンのスイッチをON……。
でもここで突然、パソコンが起動しなかったら? またはWordで報告書を書いている最中に、エラーが発生して再起動が必要になったら?
日常生活でも仕事の現場でも、PCエラーに悩まされた経験のある方は多いのではないでしょうか。メーラーを立ち上げてメールを書いている最中に間違えて消してしまって書き直し!ということもあり得ます。
直前の例はバックアップに直結しませんが、予期せぬ「PCの突然クラッシュ」は珍しいことではありません。また故障以外にも、「データ転送時に失敗してファイルが消えてしまった」、「バッテリーが残り少ない状態で作業をしていていきなり電源が落ちてしまった」など、様々な事態が考えられます。このようなハプニングが発生した場合、PC内のデータがすべて消失してしまうこともあり得ます。
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バックアップとは?
バックアップとは、万一の場合に備えてコンピュータ上のデータを複製することです。特に重要なファイルや、完成に時間がかかる大容量のファイルなどの場合は、USBメモリやクラウドなど異なる複数の場所に保存しておくといいですね。
またMicrosoft Officeアプリにはオートセーブ機能もありますので、場合に応じて活用してみるのもひとつの手です。
あまり普段から意識していなかったという方は、重要なデータを守るためにまず以下のことからはじめてみてはいかがでしょうか?
1. クラウドやUSBメモリなど、バックアップの手段を持つ
2. 手動で行う場合、バックアップスケジュールを決める
3. オートセーブを活用する(ファイル自体が消えた場合に備えて、1と2の手順は必須です)
バックアップの必要性
企業にとってもバックアップの必要性は強調してもし過ぎることはありません。ところが、サイバーソリューションズが2022年6月に行った調査によると、「週1回以上、クラウドメールのバックアップを実施している企業は全体の1/5」に過ぎず、クラウドメールの管理責任の所在を67.4%の企業が未確認でした。必要性は分かっていても、現場の対策はまだまだ遅れているのが現状のようです。
ここではバックアップが必要な3つの理由をあらためて確認しておきましょう。
1. 企業の信頼性を担保するため
企業が保管する情報の中でも顧客情報はとりわけ機密性が高く、徹底して管理しなければなりません。顧客はいわば企業を信頼して個人情報を預けているにもかかわらず、何らかの理由で企業がデータを消失してしまったら、その企業に対する信頼は失墜します。そして、一旦失われた信頼を回復するには長い時間がかかります。
2. データの価値が高まっているため
ビジネスでやり取りされるデータはかつてなく増大しており、その重要度は増しています。多くの企業が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を進めており、データ活用により組織のシステムやプロセス、カルチャーは変容を遂げています。人事や労務、財務、マーケティング、社内コミュニケーションなどあらゆる業務の基盤となるデータが失われたときの企業のダメージは図り知れません。
3. 災害のリスクからデータを守るため
言うまでもないことですが、日本は災害大国でどこにいてもいつ災害に見舞われるか分かりません。特に中小企業は経営基盤が脆弱なため、災害の際にデータが消失し、事業継続が不能になれば、そのまま廃業に追い込まれるリスクが高いといえます。今では、多くの企業がBCP(事業継続計画)を策定していますが、事業資産の損害を最小限にとどめ、事業を回復・継続させるための備えの中にバックアップは欠かせません。
クラウドバックアップとは?
「でもそうは言っても、バックアップっていろいろ面倒なんだよねぇ……」
そんな方も少なくないかもしれません。そこで登場するのが、「クラウドバックアップ」です。
クラウドバックアップとは、クラウド(インターネット上のサーバ、保管スペース)にファイルをバックアップするやり方のこと。「クラウド」なので、自分でUSBメモリやディスクを用意したり、社内にバックアップサーバを設置したりする必要はありません。クラウドバックアップのサービスに登録して初期設定を済ませれば、あとは何も用意しなくていいんです。
データをクラウドにバックアップするメリット
ここで、クラウドバックアップのメリットについて整理してみましょう。
バックアップが簡単
クラウドバックアップは、何よりバックアップするのが簡単。基本的には、「サービスに登録→ソフトウェアをインストール→初期設定(&定期バックアップ設定)」するだけでOKです。あとはソフトウェアが勝手にファイルやフォルダを安全なクラウドストレージにバックアップしてくれます。
価格が比較的安いから、コスト削減になる
月額費用はかかりますが、そのぶん「サーバ構築のためのまとまった初期投資」や「突発的なサーバトラブルへの対応費用」などが必要ないので、トータルで見ればだいぶ安く済むことがほとんど。「バックアップはしておきたい、でもコストはできるだけ抑えたい」という方にぴったりです。
データの復旧が高速
データのバックアップをBCPの一環として捉えた場合、重要なのは単にデータを復元できることではなく、高速で復元して通常業務が再開できるか、ということです。
この点、クラウドバックアップでシステム全体をバックアップしておけば、万が一のときデータを高速で復元することが可能です。
ログデータを残せる
ログデータとは、誰がいつ、どのデータをバックアップ・復元をしたのか、設定を変更したのかがすべて記録されること。このため、社内の人間がデータにアクセスしてデータを盗み出すことを防げます。セキュリティマネジメントの観点からもクラウドバックアップは効果的だといえるでしょう。
データをクラウドにバックアップするデメリット
クラウドバックアップだって良いことばかりではありません。デメリットも確認しておきましょう。
インターネット回線が必要
「クラウド」はインターネット経由でアクセスするサーバなので、インターネットにつながっていないとバックアップできません。それにただつながっているというだけではなく、ある程度安定した高速な回線が必要です。
環境によってはバックアップのスピードが遅くなる事例も
会社のインターネット環境によっては、社内のローカルサーバなどにバックアップする場合と比較して、バックアップスピードが遅くなる可能性があります。
セキュリティに不安がある
クラウドバックアップの場合、データを外部事業者に預けることになります。利用者にとっては情報の保守、運用、管理の負担が減りメリットも大きいですが、その分、情報セキュリティを事業者に任せてしまうことになり、不安も拭えません。
ストレージコストが高くなる
クラウドバックアップでは導入コストが低いのがメリットですが、契約期間中は毎月定額で利用料を支払います。そのため、長期的な視点で考えると、コストはむしろ高くなる可能性もあります。
クラウドバックアップのデメリットを具体的に知りたい方はこちら
クラウドバックアップの種類
クラウドバックアップに限りませんが、バックアップには大きく分けて「イメージバックアップ」と「ファイルバックアップ」の2種類あります。
イメージバックアップ
イメージバックアップとは、簡単にいうとシステム全体をバックアップすることです。ここでいう「イメージ」とはファイルやフォルダの階層構造を保ったまま複製したデータを指します。
バックアップの対象にはアプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定なども含まれます。そのため、イメージバックアップであれば、復元の際にアプリケーションを再インストールしたり、様々な設定を一から行う必要はありません。
ただ、必要か不要か関係なく、とにかく丸ごとバックアップしてしまうため、バックアップに時間がかかってしまうというデメリットもあります。
ファイルバックアップ
ファイルバックアップとは、その名の通り、ファイル単位でバックアップを行うことです。ファイルバックアップのメリットは必要に応じて最小限のバックアップを行うため、復元に時間がかからない点です。
ただ、イメージバックアップと異なり、ファイルやアプリケーション、フォルダを動作させるためのシステムはバックアップしていないため、システム障害が起きた場合はOSの再インストールからアプリケーションの初期設定などを行わなければならないため、復元に時間がかかってしまいます。
オンプレミスの併用
クラウドバックアップには多くのメリットがありますが、万能ではありません。そもそもバックアップはいかにリスクを軽減するかという発想からスタートしており、バックアップ先はできるだけ多いのが理想です。
バックアップの大原則として「3-2-1ルール」があります。これは「データのコピーは3つ」、「2種類の異なるメディアでバックアップを保存」、「バックアップのうち1つは違う場所で保管」という原則です。このルールに基づくと、クラウドバックアップのみに依存するのではなく、クラウドの障害などに備えて、オンプレミスも併用してバックアップをとっておくと良いでしょう。
クラウドバックアップツールの種類
ここでは個人が活用できるクラウドバックアップツールの種類とバックアップの方法について説明します。
【方法1】iCloudでバックアップする
iPadやiPhoneのデータはiCloudによって簡単にバックアップできます。
Wi-Fiネットワークに端末を接続し、「設定」から「ユーザ名」を選択し、「iCloud→iCloudバックアップ」をタップすればバックアップがスタートします。
iCloudの場合、ストレージの容量が無料プランだと足りなくなる場合がありますので、その場合はデータの量に応じて有料アップグレードしておきましょう。
画像出典:Appleサポートページ
【方法2】Google Oneでバックアップする
Google Oneを利用すると、スマートフォンの「アプリデータ」「通話履歴」「連絡先」「設定」「SMSメッセージ」「写真」「動画」「MMSメッセージ」が保存されます。
Google Oneでは、以下の手順で自動的にバックアップするように設定できます。
1. Google Oneを開く。
2. 画面下部の「ストレージ」をタップ。
3. 「バックアップ」→「表示」をタップし、バックアップの状態を確認、設定を変更するには「データのバックアップを設定」をタップ。
【方法3】Microsoft365でバックアップする
Microsoft365は「Office365」の機能にプラスして、クラウド型のメールサービスである「Exchange Online」、社内ポータルサイトで情報共有ができる「SharePoint Online」、オンラインストレージサービスである「OneDrive for Business」、コラボレーションプラットフォーム「Microsoft Teams」が含まれたツールです。
Microsoft365では画面上の通知領域に表示される「クラウドアイコン」を選択し、「設定」→「ヘルプと設定」→「バックアップの管理」をクリックすれば、フォルダーごとにバックアップが可能です。
Office 365のバックアップデータ方法について知りたい方はこちら
画像出典:Microsoftサポートページ
まとめ
クラウドバックアップが今後は主流になる!?
IDC Japanの調査によると、2021年の国内クラウド市場規模は4兆2018億円でしたが、2026年には約2.6倍の10兆9381億円になると予測されています。
その背景には多くの企業のビジネスモデルが転換期にあることも関係しています。今後はSIerによるシステム開発に代わって、SaaS(「サービスとしてのソフトウェア」)が主流になるでしょうし、ビッグデータやIoT、AIなどのテクノロジーの活用により、扱われるデータはますます増大していくものと考えられます。クラウドバックアップはそうした新しいビジネスモデルとも親和性があるのです。
困ったときに「使えるクラウドバックアップ」
使えるねっとでも、「使えるクラウドバックアップ」というクラウド型のバックアップサービスを提供しています。設備投資は不要でPC内のすべてのアプリ、ファイル、アカウント、各種設定、そしてOSに至るまで丸ごとバックアップするイメージバックアップを採用しています。そのため、万が一データが消失してもスピーディにデータを復元し、業務の再開が可能です。
また、気になるセキュリティに関しても、使えるクラウドバックアップは米軍も採用する最高レベルのセキュリティを採用。すべてのファイル転送を、暗号鍵が最も長く安全性が高いとされるAES-256で保護します。
さらにランサムウェア攻撃からデータを守るAIベースのテクノロジー「アクティブプロテクション」を搭載し、サイバー攻撃対策も万全です。
バックアップやクラウドサービスについてお考えの方、既存のサービスからの乗り換えをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。30日間の無料お試しも受付中です。
使えるクラウドバックアップのサービス詳細ページはこちら>>
FAQ
(1) クラウドバックアップと同期の違いとは?
クラウドバックアップとは、災害やサイバー攻撃、システム障害などによりデータが破損、消失することを想定し、前もって同じデータを複製しておくことを指します。それに対して、同期とは、クラウドストレージにアクセスする複数の端末の状態を同じにしておくことです。
(2)クラウドバックアップの必要性は?
クラウドバックアップが必要なのは、企業にとってデータの価値がますます高まっているからです。そのため、情報は企業にとって資産であり、万が一の場合に備えて、資産を保護する必要があります。例えば、災害やサイバー攻撃にあっても、クラウドバックアップをとっていればすぐにデータを復旧して、事業を継続できます。
(3)クラウドバックアップのセキュリティは大丈夫?
クラウドバックアップのセキュリティは、データや通信の暗号化と暗号鍵によって保護されています。暗号化とは、データや通信を暗号化することで、誰にも盗み見られたり、解析されたりしないようにすることです。また、暗号鍵とは、複雑な暗号を復号するために使われます。
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