これから2020年にかけて、企業におけるクラウドの普及が加速していくと見込まれています。この記事では、2020年までのクラウド移行の浸透予測をご紹介。クラウドへの切り替えを妨げている要因についても分析していきます。
4割超の企業がオンプレミスからクラウドに移行する方針
IDC Japanによるユーザー動向調査(※1)によると、現在オンプレミスを使っている企業のうち、4割を超える企業が今後クラウドサービスへの移行を検討していると回答しました。クラウド移行の流れは着実に勢いを増しているようです。
同調査によれば、クラウド移行の理由として一番多かったのは「運用負担の削減」でした。実に7割の企業がこの理由を挙げています。「ハードウェアコストの削減」もおよそ半数の企業が理由として回答。クラウドに移行すれば自社でサーバを運用管理する必要がなくなり、コストも手間も大幅に削減可能です。これはとくに中小企業にとって嬉しいポイントだと言えるでしょう。
ただ、たとえば企業向けクラウドとしてメジャーなAmazonのAWSに移行するとコストが増える傾向にあるというデータもあるので注意が必要です。AWSなどのサービスは従量課金制となっているため、事前の見積もりが甘いと予想以上にコストがかかってしまう場合も。またオンプレミスのシステムをクラウドに最適化せずそのまま移動させるだけだと、クラウド移行によるコストメリットが表れないケースもあります。
2020年には企業の業務の大半がクラウドに?
別の調査(※2)では、2020年には企業の業務の約8割がクラウド環境に移行すると予測されています。さらに同調査は、オンプレミス環境での業務の割合が、現時点での4割弱から3割弱にまで低下すると予測。これから2020年にかけて、クラウドはますます「当たり前」のソリューションになっていきそうです。
クラウドへの移行を妨げている障壁は何か
このように企業の間でのクラウド移行は2020年に向けて加速しています。ただ一方で、なかなか現状のオンプレミスからの切り替えに踏み切れないという企業も少なくありません。
クラウド移行の懸念材料として多くの会社が挙げているのが、セキュリティの不安です。業務の重要なデータを他社のサーバに預けるわけなので、この不安はもっともだと言えます。しかしながら最近はクラウドサービスのセキュリティは飛躍的に向上しており、むしろオンプレミスより安全な場合も。実際、安全なセキュリティを理由にクラウド移行を検討するケースも増えているんです。
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※1 2018年 国内クラウドインフラストラクチャに関するユーザー動向調査結果を発表(IDC Japan株式会社)
※2 Cloud Vision 2020: The Future of the Cloud Study(LogicMonitor)