こうした中、DevOps(デブオプス)*1などといった開発手法が広まっていることもあって、各企業の中で徐々にIT部門の存在感が低下しています。クラウドへの転換が進めば、今後かつてないレベルでIT技術の重要性が高まっていくに違いありませんが、それにもかかわらずIT部門の影が薄くなっているのは皮肉とも言えるかもしれません。
クラウドシフトがますます進んでいる現在、IT部門が生き残るには、新たな時代の流れに迅速に対応し、組織全体が変化する必要があります。そして単なるITインフラの構築者から、クラウドサービスを扱う頼れるエージェントへと変貌できれば、IT部門は縮小するどころか、ビジネス戦略に不可欠なパートナーともなり得るのです。今回は、本格的なクラウド転換期が訪れた今、IT部門のリーダーたちが取るべき5つのステップをご紹介します。
自分たちが提供する「サービス」の意味を明確にする
まずは、自分たちが提供するサービスの定義や、自分たちがなすべき役割を明確にしなければなりません。そしてそのサービスが、会社全体を見渡したときにどういった意味を持つのかまで俯瞰して考えることが求められます。大胆な変革のためには、土台の部分から見直すことが必須なのです。
KPIの測定に徹底的にフォーカスする
IT部門もビジネス部門と同様、明確なゴールを定め、それに向けたKPIを設定し、さらにその達成度を常に計測する必要があるでしょう。PDCAを回し、状況に応じて改善を迅速に進めることも重要です。基本を徹底することが、フレキシブルでイノベーティブな組織を作ります。
時代の変化に対応し、非効率性を排除する
クラウドファーストの時代は、まさに「変化の時代」でもあります。かつての常識では考えられないようなスピードで環境は変化し、技術は進化します。ですから、常に変化の流れを読むのを怠らず、それに対応し、時代に合わない非効率性が組織内に残っていないか、把握しておくことが肝要です。
組織を合理化し、ビジネス部門との提携を強化する
企業内での存在感を高めていくには、凝り固まった組織を合理化し、会社の業績に貢献できるような部門への変革を遂げることが必要です。また、承認やレビューだけしか行わないような保守的な組織になるのではなく、ビジネス部門との信頼関係に基づくパートナーシップを積極的に強化していかなければなりません。
イノベーションと利益創出にコミットする
IT部門は、本来のIT部門らしくあるべきです。すなわち、システム構築や運用サポートだけを業務とするのではなく、もっとイノベーションと利益の創出にコミットするべきなのです。クラウドファーストの流れによって、テクノロジーは今後ますますビジネスの核となっていきます。そうした状況を活かすべく、守りではなく、攻めの姿勢で改革を進めていきたいものですね。
今は、IT部門の衰退が時折メディアでも伝えられるような状況ではありますが、このピンチは逆にチャンスでもあります。クラウドの時代を迎えて、これからどうするべきかと悩んでいるITリーダーの方は、ぜひ今回ご紹介した5つのポイントをヒントにしてみてはいかがでしょうか。
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[1] DevOps(デブオプス): ソフトウェア開発手法のひとつで、開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせたもの。各部門が独立しがちだった従来とは異なり、プロジェクトの進行には企業の開発担当者と運用担当者の連携・協力が必須となります。